消えゆく「○時○分発」


数を増やす「○分後」の案内
進化する電光掲示板の話





増える「○分後」の案内

駅にあるお馴染みの電光掲示板。イメージされるのは下の写真のようなものではないでしょうか。

多少の違いはあれど「何時何分」に発車するという点はよく見られる形式です。しかし、近年この「何時何分」という案内のない電光掲示板が増えてきています。

「○時○分」ではなく「○分後」という案内に置き換わっています。すベての駅ではありませんが、首都圏では山手線や地下鉄を中心に、このような「何分後」という表示が導入されています。直感的に分かりやすい表現にすることで、いちいち時計を見ずとも、どれくらいで電車が来るか分かるようになっています。

この「○分後」方式は、海外の都市鉄道では既にスタンダードとなっています。下は台北捷運(地下鉄)のものですが、秒単位で表示されていました。こまめに更新されるので、列車を待つストレスが小さく感じました。

○分後」は本当にわかりやすいか

直感的に時間が分かるので、特に乗りたい電車を決めていないときには分かりやすい表記だと思います。

裏を返すと、乗る電車を事前に決めているときには分かりづらい案内だと言えます。「16:53の電車に乗る」と決めていたのに、その電車が遅れていたとしても「○分後」としか表示されないので、本当に乗りたかった電車かどうか一目では分かりません。

例えば、「田端〜品川」駅間は「山手線」と「京浜東北線」が並行して走っています。「田端〜田町」駅間は、同じ方向に向かう電車が同じホームに来るため、早く来た方の電車に乗れば良いのでとても便利です。しかし、山手線は「○分後」と表示されているのに対して、京浜東北線は「◯時◯分」と表示されている駅があります。山手線と見比べた場合にどちらが早く来るのか、一目では分かりません。

もっと言えば、「◯時◯分」表示は「いつ発車するか」という発車時間に重きを置いていますが、「○分後」表示は「あとどのくらいで来るか」という到着時間に重きを置いています。山手線のような停車時間の少ない過密路線では良いですが、特急・快速などの通過待ちや接続といった停車時間が発生する路線には、あまり適していません(◯分後だけだといつ発車するか分からない)。

一見分かりやすそうな「○分後」表記も、すべての駅や路線に有効というわけではなさそうです。なお、下の写真のような新しいタイプの掲示板では「○時○分」と「○分後」が交互に表示されるものが登場しています。これはとても分かりやすいので、ぜひ広まってほしいです。

進化する案内掲示板

以上、進化する電光掲示板のお話でした。
筆者は「◯時○分」はただの残り時間ではなく、本当に乗りたい列車かどうかの指標の一つにしているので、山手線のようにバンバン来る路線でも「◯時○分」の方が嬉しいです。比較的列車の運行間隔が開く路線では、引き続き「◯時○分」が主流のようです。また、電光掲示板もLEDの集合体ではなく「液晶」が順次導入されています。ときには、日々進化を遂げている「電光掲示板」に注目してみてください。


色々書きましたが案内があるだけで
便利でありがたいです

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東京で暮らす会社員です。
都市や交通について気ままに発信しています。
それなりにリアルかと思います。

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