渋谷の雨はどこに行くのか「①宮下公園~渋谷ヒカリエ」

渋谷の谷底を探す
雨散歩その①





幸い雨が降ったので

渋谷に行ったら雨でした。

渋谷はその名の通り、谷になっているのは有名な話。
ではその谷底はどこにあるのでしょうか。

さらさらと、雨水が道を流れていきます。
雨水を追いかけていけば、答えを教えてくれるのでは?

雨水を追いかけて

16 から JR東日本高架下アロー

今回の渋谷雨散歩の大体のルートです。
渋谷駅を中心に、ぐるりと時計回りに一周しました。

思い付きで歩き始めましたが、それなりにきれいな円になりました。
のんびり歩いたのでトータルの所要時間は2時間ほどです。

スタートは宮下公園(MIYASHITA PARK)。
宮益坂に向かって進んでいきます。

水平を探す「渋谷一丁目」

渋谷は基本的に坂です。

建物と公道の境界を見ると、坂であることをより実感できます。

当然、建物自体は水平です。
しかし、どこもかしこも坂なので、どこが水平なのか時々分からなくなります。

ひしめき合う渋谷。
至るところで坂を活用した工夫が見られます。

明治通りが見えてきました。車が通れそうなほど大きなシャッターですが、どうやって道に出るのか、謎は深まるばかり。
その間にも、雨水は坂をひたすら下っていきます。

下までやってきました。
写真奥が渋谷駅、巨大なガラス張りのビルはスクランブルスクエアです。

雨水は明治通り沿いの側溝に至り、そのまま消えていきます。

雄大な「宮益坂」


宮益坂にやってきました。
片側2車線の大きな通りです。

宮益坂を下ると渋谷駅、線路の向こう側にはスクランブル交差点があります。
巨大なスクランブルスクエアを見上げる、少し落ち着いたこちら側の景色も好きです。

渋谷駅に向かって下っていく地形が分かります。
こうして見ると、線路が道を跨いでいるというより、道が線路の下を潜っているという表現の方が適切な気がしてきますね。

公道境界の観察。
滑らかに合わせるスタイル。

段差後付けスタイル。
地味ですが、既製品では対応できなかった苦労が伝わってきます。
無くても問題なさそうですが、心遣いを感じるので好きです。

宮益坂をさらに上っていくと、横に宮益御嶽神社の参道が現れます。

神社は坂の上……ではなく、ビルの屋上に鎮座されています。
緑色の壁は斜面ではなく全体が建物で、渋谷区立商工会館などが入っています。
なぜビルの上なのか、中はどうなっているのか……謎は深まるばかり。

自販機は最高の水平器

街中にあふれる自動販売機。
ただ置かれているように見えて、きちんと決まりがあるそうです。

日本産業規格(JIS)「自動販売機-据付基準(B8562-1996)」において、
「据付面の水平度据付面は,据付調整後の自動販売機の傾きが1度以内となるような面とする。 」
と定められています。かなりシビアですね。

このことから、街中の自販機を見れば概ねの水平を知ることができます。

水平に見える道も、実は傾斜があることが分かります。
ここでは宮益坂に向かって下っていました。

よく見ると、雨水が細く流れています。人と同じように、雨水もまた渋谷駅に向かっていくようです。

エスカレータは唐突に

宮益坂に戻ります。
真横から見ると中々の斜度。写真は渋谷郵便局の前、左手方向が渋谷駅です。

くるりと180°回転すると、唐突に階段とエスカレータが出現しました。
一見、ビルの裏口があるようにしか見えません。

側には鮮やかなウォールアート。
抽象画かと思いきや、多階層に渡る渋谷の街が活き活きと描かれています。
誰でも入れそうなので、ひとまず登ってみることに。

登ると、その先にはさらに階段とエスカレータが。

登り切った先には、四方をビルに囲まれた広い空間がありました。
雨ということもあってか、渋谷のど真ん中でありながら誰もいません。

さながらオープンワールドゲームに迷い込んだようです。

さらに進むと、見慣れた案内サインが。
さらっと書いてありますが、この路線たちが一つの矢印で案内されているのはかなり珍しいのではないでしょうか。

いつの間にか、渋谷ヒカリエに入っていたようです。
あんなところにヒカリエへ通ずる道があったとは知りませんでした。

南方向を向いています。
下の緑色のエリアが宮下公園で、下から上がってきました。
おや、何やら黄色いラインが…・。

筆者は今、銀座線の上に立っている!
突如現れた階段は、ヒカリエだけではなく、銀座線をよじ登る道だった!

ここまでのルート

16 から 〒150-0002 東京都渋谷...

②渋谷ヒカリエ~渋谷ストリーム編に続きます。


壁画は布石だった

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東京で暮らす会社員です。
都市や交通について気ままに発信しています。
それなりにリアルかと思います。

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