JR中央線の朝ラッシュの話


中央線沿いに住んでいたときの
朝ラッシュの混雑について





天下の「中央線」

  • 真ん中通るは中央線
  • 勝負はオレンジ色
  • 毎日使うなら他の路線を見てもいいかも

「中央線」と聞けば、オレンジ色の電車を想像する方も多いでしょう。
JR中央線は東京から甲府、塩尻を経由し、名古屋まで結んでいます。東京の中央のみならず、本州の中央を通っています。
中央線は大きく以下の3つに分かれます。

  • 名古屋〜塩尻
    (JR東海が管理する中央西線)


  • 塩尻〜高尾
    (JR東日本が管理する中央東線)


  • 高尾〜東京
    (JR東日本・オレンジの電車)

そして、この高尾〜東京のオレンジゾーンが最高に混雑します。
これから中央線沿いに住みたいと思っている方へ、筆者が中央線で通勤していた頃の経験を少しだけ共有します。参考程度にご覧ください。

全体的なイメージ

  • 座席は始発駅で埋まる
  • 早起きしても座れない
  • 何本待っても同じ

上りの中央線の始発駅は「大月・高尾・八王子・豊田・立川・国分寺・武蔵小金井・三鷹・中野」と多くあります。線を引いた大月・高尾駅より東側の駅では、座席は始発駅で埋まることがほとんどです。朝の通勤時間帯の所要時間は、八王子から東京までは約70分、最も早い通勤特快で約60分です。

時差通勤も一つの手ですが、それでも座れないことがほとんど。満員電車ではないにせよ、三鷹くらいになると朝5時台の電車でもつり革が埋まるくらい立っています。東京近郊であれば他の路線も同じことですが、1本2本電車を待ったところで混雑はほとんど変わりません。

乗換駅は座るチャンス

  • 他路線との接続駅がチャンス
  • 三鷹・吉祥寺・荻窪が鍵

長い距離を走る電車でありながら、JR中央線は高尾から東京まですべて東京都内を走っています。そのため途中駅でも比較的乗降があります。
他路線との接続駅はチャンス。乗降が期待できる駅は以下の3駅です。

・三鷹  
 JR中央線各駅停車の始発駅

・吉祥寺 
 京王井の頭線の始発駅

・荻窪  
 東京メトロ丸ノ内線の始発駅

どの路線も都心に向かいます。しかし、地下鉄丸ノ内線が通る新宿駅・東京駅は中央線でも行けるほか、各駅停車に至っては御茶ノ水駅まで全く同じルートを通るため、ものすごく降りる人がいるわけではありません。しかし、それぞれの路線の始発駅なので、座席が空く可能性がある数少ない駅です。

確実に座る方法

  • 始発がある駅に住む
  • 始発電車に乗り換える

朝の中央線を快適に過ごす、最も確実な方法は始発駅に住むことです。ただし、始発駅は人気がありますので家賃もお高めです。
始発駅で一旦降りて始発電車に乗り換えるのも手です。ただし、皆考えることは同じなので、始発電車が来る10分以上前から列ができているとか。

最も確実なのが、三鷹で各駅停車に乗り換えることです。三鷹〜御茶ノ水間は、線路が4本ある複々線になっています。オレンジ色の電車はすべて快速、黄色の電車はすべて各駅停車で運転します。快速が止まらない駅は東中野・大久保・代々木・千駄ヶ谷・信濃町・市ヶ谷・飯田橋・水道橋です。なお、各駅停車はそのまま総武線に行ってしまうため、神田・東京は快速でないと行けません。

平日であれば、東中野・大久保の2駅多く停まるだけで、新宿までの所要時間は3〜4分しか変わりません。御茶ノ水まで行くと10分程度変わってきますが、座っていけるのであれば許容範囲でしょう。三鷹でも5〜6分待てば電車が入ってくるので、ロスタイムも少なくおすすめです。

通勤特快に気をつけろ

  • 国分寺から新宿までノンストップ
  • 30分近くドアが開かない
  • 10分くらい速い

中央線の朝を語る上で外せないのが「通勤特快」です。オレンジ色の中央線には、各駅停車・快速・通勤快速・中央特快・青梅特快がありますが、さらにその上を行く通勤特快があります。平日の朝のみ、一日4本運転されています。

特徴は国分寺から新宿まで約30分走り続けること。聞くと便利そうですが、ものすごく混みます。駅に何度も停まるのも疲れますが、鮨詰めの状態で30分立っているのはかなり苦痛。実際、駅や車内で「体調の優れない方は後の電車をご利用ください」と放送されることも。

なお、国分寺〜新宿間の所要時間は、他の快速に比べて10分くらい速いです。車内で安定したポジションに収まってしまえば、とても便利な電車です。

朝の中央線のいいところ

  • 山ほど電車が来る
  • 駅がきれいで充実している
  • あまり揺れない

時刻表を確認しなくても山ほど電車が来ます。朝の通勤時間帯は2〜3分間隔で運転されています。駅に行けば電車がいます。

中央線は2010年、立川〜三鷹間が高架化されました。高架化された区間の駅はすべて新しくなり、きれいで開放感があります。それ以外の駅も、駅ナカや駅チカにたくさんのお店があり、早朝から営業しているお店も多いです。

立川〜三鷹間の高架化は比較的最近のことですが、三鷹〜東京間はもっと前から高架化・立体化されています。現在では、日野〜東京の約40kmの間、踏切は一つもありません。地図を見ると一目瞭然ですが、定規で引いたかのように一直線に線路が敷かれています。新宿の直前までカーブがなく、混雑していても揺れに翻弄されることは意外と少ないです。

朝の中央線の困ったところ

  • とにかく混む
  • ちょいちょい遅れる
  • 振替手段は少なめ

常に混んでいます。早朝に乗ろうが、9時を過ぎてから乗ろうが関係ありません。東京方面の話が中心になっていますが、高尾方面も混んでいます。通勤もさることながら通学する人も多いため、時間によって客層が変わっていく感じです。

列車の本数が非常に多いため、ちょいちょい遅れます。混雑で乗降に時間が掛かったり、荷物が挟まったり。小さな遅れが積み重なっている感じです。とはいえ、毎日ハラハラするほど遅れるわけではありません。

ときには完全にストップしてしまうこともあります。東京西部には、中央線の他にも京王線や西武線が走っています。しかし「並行」とは言えない距離で離れているほか、どの路線も「横」に走っていて「縦」に走る路線があまりありません。運転見合わせとなったときに「横を走る私鉄で行こう」と簡単に出来ないのが、少し困った点です。

あるある「Q&A」

JR東日本アプリより
  • 人身事故でよく止まるのでは

    確かに多いですが、特別多いとは感じないです。そもそも中央線に限らず、自分が使っている路線に対して「また止まっているのか」と思っている人は多いのではないでしょうか。ただ、2021年度は全国で3番目に多かったそうです。

  • 常に遅れてそう

    確かにちょいちょい遅れますが、特に困ったことはないです。山ほど走っていますから、遅れていたとしても1・2本前の電車がいます。

  • これから中央線沿いに住みたいと思ってる

    絶対に中央線でなくても良いのなら、中央線以外の沿線を見てから決めてもいいのかなと思います。その方が家賃は安いし、電車は空いているからです。休日であっても、満員電車までは行かないものの、座れないくらいには混んでいます。
    その分、沿線施設の充実度は改めて言うまでもありません。都心に出ずとも、2・3駅移動すれば、大抵の用事は事足ります。人気が高いのも納得です。

その他中央線に関して

  • トイレがつき始めた
  • グリーン車がつく
JR東日本プレス資料
「中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について」より

中央線のオレンジの電車にもトイレが整備され始めています。2023年度末を目処に、すべての編成に設置される計画で、4号車に設置されます。「その分座れなくなる」との声もあるようですが、いざと言うときに避難できるのは筆者的にはありがたい(朝ラッシュ時にトイレまで移動することは至難の業ですが)。

中央線にもグリーン車の導入が決定しています。現在の10両編成の中にグリーン車2両を追加し、12両編成となります。計画が発表されたのは2015年で、当初は2020年サービス開始とされていました。しかし、延期に次ぐ延期で、現在は2024年度末以降の開始とされています。各駅で懸命にホームを伸ばしている様子が見られますので、時間はかかっても必ず実現するでしょう。

唯一無二の中央線

紛れもなく混雑は日本トップクラスのJR中央線。なんとなくオシャレそうだから、通勤に便利だからという理由だけで中央線を選ぶのはおすすめしません。家を借りる前に、実際に通勤時間帯に最寄り駅から電車に乗ってみるといいでしょう。

一方で、場所やタイミングを見計らえば、噂ほどひどいわけでもありません。また、沿線環境やカルチャーは唯一無二のもの。新たな作品や流行が沿線からどんどん生まれています。ネットや雑誌で、いつも使っている駅や街が取り上げられることもしばしば。先にも書きましたが、休日にわざわざ都心まで出なくても、たくさんのお店や公園があります。朝の混雑を差し引いても、素敵な東京生活を送れると思います。ぜひ一度、沿線を訪れてみてください。住み心地の良い街が見つかること、今後も中央線が愛され続けることを願っています。


筆者は中央線沿線を離れましたが
いつかはまた住みたいと思っています
ぜひ一度足を運んでみてください

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東京で暮らす会社員です。
都市や交通について気ままに発信しています。
それなりにリアルかと思います。

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