文系の社会人が「電気工事士」を独学で取得した話〜①筆記試験編〜

コツコツ続ければ知識は身に付く
「第二種電気工事士」の取得を独学で目指す方へ





きっかけは「何となく」

  1. 文系社会人
  2. 仕事では使わない
  3. 役立ちそうだし書ける資格が増える
こんな感じの配線図を山ほど
書くようになる
(よくこんな図で受かったものです)

筆者は典型的な文系社会人です。

「数Ⅱ」で躓いた人です。大学でもとにかく文字ばかり読んでいました。当然、仕事でも電卓や図面を使うようなことはほとんどありません。ただ、手足を動かして工具や道具を使うのは好きです。できることなら自分で組み立てられるものは組み立てて、直せるものは直したい性分です。つまり、役立ちそうな資格が欲しいときに「電気工事士」という響きに惹かれて、何となく勉強を始めたわけです。

そんな気楽なノリですから、専門講習にお金と時間をかけるつもりはなく、最後まで独学でやりました。それでも、無事に取得できましたので「独学は無理」ということはないはずです。以下、取得前の筆者のスペックです。

資格取得までにかかったモノ

  • 期間:8ヶ月(2021年6月スタート〜2022年2月合格)
  • 費用:31,100円
戦友たち

資格取得までにかかった期間は、約8ヶ月です。

長いといえば長いですが、仕事をしながらだと「もう受験日か」みたいな感じで、あっという間でした。あまりじっくり腰を据えすぎてもダラけてしまうタチなので、ちょうど良いスパンだったと思います。普段から電気工事関係に携わっている方なら話は別ですが、それ以外の方であれば1ヶ月・2ヶ月というのはちょっと無理があるかなぁ、という感じです。とはいえ、筆者は文系の中でも極めて「文系寄り」ですので、数字が嫌いじゃないよという方はもっと短くても大丈夫だと思います。

資格取得までにかかった費用は、約31,100円です。後に詳細はお伝えしますが、かなり「最低金額」に近い費用だと思っています。もしも「過去に戻ってもう一度やり直していいよ」と言われても、かかる費用は同じだと思います。かけるべき費用はかけて、無駄なく投資できたと思います。なお、受験料などについては公式サイトでご確認くださいね。

【資格取得の為にかかったお金】

・受験料    9,300円
・参考書代   1,900円
・工具代    13,000円
・練習材料代  6,900円

 合計 31,100円

筆記試験に向けて参考にした教材

  • 市販の参考書×1冊
  • 猫電

筆記試験に向けて購入したものは、参考書一冊です。

藤瀧 和弘さんの「ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すい〜っと合格」を購入しました。書店の一番手前に平積みされていたからです。複数冊買うと「こっちとあっちで微妙に言ってること違うの何なん」となりがちなので、この手の参考書は一冊と決めています。かなり味のあるイラストに気を取られることもありましたが、「あの猫が言ってたところか」と思い出したところもあったので、効果的な参考書だったと思います。無事「すい〜っと」合格できました。

とはいえ、納得できないところや苦手な分野がありましたので、ネットで調べ補いました。「猫でも出来る第二種電気工事士試験対策サイト(通称:猫電)」は独学する上でマストサイトだと思います。参考書で腑に落ちないところはここで解決しましたし、練習問題も豊富なので「参考書で学んで猫電で復習する」感じでした。どちらが優れているとかではなく、両方で補完し合うことで効率的に知識を取得できました。

筆記試験に向けての学習法

  • 1分でも1ページでもいいから毎日
  • 前回の復習+新たな学習
  • 言ってることがよく分からないときはまず問題を解いてみる
初学習日に日付を書いて
復習したら丸をした

「1分でも1ページでもいいから毎日勉強する」を守りました。

良くも悪くも人は一旦癖がつくと抜けないもの。一度習慣になってしまえば後は楽です。「1分」でいいんです。参考書開いておしまいで良し。「1ページ」でいいんです。イラストだけのページならそれを見ておしまいで良し。ただ不思議なことに、1分のつもりが5分も10分も続けてしまうものです。
「独学」の最大の敵は「自分」です。やる気がなくても、強制的に机につかせることが「お金を払って塾や講座に通うこと」の目的の一つと言っても過言ではありません。正直、資格取得を通してこれが一番厳しかったです。

具体的な内容の解説や詳細は、参考書や「猫電」さんにお任せします。「学習そのもの」のやり方として意識したことは「前回の復習+新たな学習」です。新たなページに入る前に、必ず前日分の範囲をもう一度読み込み、例題があれば解き直していました。「何を当たり前のことを」という声が聞こえます。私もそう思います。でも「毎日」と言われるとそれなりにしんどい。科学的には「決められた間隔で3回復習するのが理想」だそうですが、さすがにそこまでやると苦しいので、1回は守りました。

復習を義務付けた副産物として「やり過ぎ・やったつもり」を予防できたように思います。筆者のような並の人間(並も怪しい)は、一度にたくさんやったって頭に入るわけないのですから、一回に2時間も3時間も勉強しても仕方ありません。「前回の復習」を義務付ければ、翌日も「2時間も3時間も」学習しなければならなくなりますから「明日の為に今日はここまでにしよう」となる訳です。膨大な時間や量を求めない代わりに、「やったことは一回で確実に覚える」つもりで学習しました。すごく真面目に書きましたが「できる分だけちょっとやればいいや」くらいの気楽な気持ちが、長続きに繋がったのかもしれません。

丁寧に説明してくれていても、公式や定義が出てくると「?」な部分は必ず出てきます。そんなときは突き進んで「問題を先に解いてみる」ことをお勧めします。説明を受けるよりやって覚えた方が早いことってありますよね。iPhoneですら説明書はありませんし。何度か解くと見えてくる「自然な数字や単位」が絶対ありますから、やって覚えてしまいましょう。「猫電」さんも仰っていますが、まずは「資格を取得することが先」です。100%理屈が分からなくても、正しい解答に導く手段があれば良いのです。

試験直前

  • 過去問を解きまくる
  • 質より量
  • 筆記試験の下調べは徹底的に
「すい〜っと」ついてきた

この手の資格系ならば同じことが言えると思いますが、とにかく過去問や予想問題をたくさん解きました。

筆者の場合、参考書の1周目は時間をかけて解き、2周目は理解しづらかった分野だけ時間をかけました。2周終えたら、あとは参考書の例題や「猫電」さんの問題を、正解不正解に関わらず何度も解きました。すでに分かっているところでも、解答を出すまでの時間を早くできれば、本番では他の問題に時間を回すことが出来ます。「同じ問題やってたら答えも覚えちゃうじゃん」と思うかもしれませんが、それで良いのです。同じ問題が出たら考える必要もありませんし、似たような問題が出たら、覚えている答えの数字や選択肢を少し置き換えるだけで済むからです。「質」を求めるのは最初だけで、筆記試験1ヶ月前くらいからはとにかく「量」でした。もちろん、「前回の復習+新たな学習」は継続したままです。

あとは、筆記試験についての下調べは徹底的にしておきましょう。問題や傾向を予想するのも大切ですが、ここで言いたいのはそういうことではありません。試験の日付や日時、場所や持ち物を何度も何度も確認しました。どんなに知識があっても、受験できなければ意味がないからです。事情は分かりませんが、試験当日に駆け込んでくる人がいたり、空席がいくつもあったりしました。大の大人に改めて言うようなことではありませんが、そういった下調べ不足でこれまでの努力を棒に振っている人は、残念ながら必ずいるのです。

筆者は東京都内の会場でしたが、当日の受験者の多さに驚きました。男女問わず、幅広い世代の方が受験されていました。電気関係の仕事をされていないように見える方もたくさんいましたよ(あくまで筆者の主観です)。孤独な戦いをしていたのは自分だけではなかったのだと、少し安堵した瞬間でもありました。

文系は不利なのか

  • 計算は「覚えれば」何とかなる
  • 設問は計算だけではない
  • むしろ文章や条件を暗記することが大切
世の学生の皆さま
大人になったらちゃんと
役に立ちますよ

計算問題は少なくありません。「W=V×I」とか「オームの法則」などの基礎が必要な問題は出ます。でも、そんなに構える必要はありません。筆者も資格取得の勉強を始めるまですっかり忘れていましたが、十分間に合いました。最低限の公式を覚える必要はありますが、問題から自分で式を作り上げるということはなく、「この問題が出たらこの公式を使う」といった感じで十分解けます。

むしろ、公式をド忘れしてしまっても何となく手がかりが掴める計算問題とは違い、忘れてしまったらどうしようもない文章問題の方が大変です。例えば、以下のような問題があります。

下記のものは一般用電気工作物の適用となるか。ただし、発電設備は電圧600V以下で、1構内に設置するものとする。

「低圧受電で、受電電力30kW、出力20kWの太陽電池発電設備を備えた幼稚園」

「600V」とか「30kW」とか、いかにも計算問題っぽいですね。しかし、この問題の大事なところは「低圧受電」「出力20kWの太陽電池発電設備」です。計算は全く必要ありません。少しだけ解説すると、

「一般用電気工作物」は電気事業者から600V以下の低圧で受電する設備のこと。

という決まりがあります。
従って、一般用電気工作物の要件は満たしています。問題では、受電する設備のことなのに「発電設備」があっていいのか、ということも問われているわけです。実際には、

 「太陽電池発電設備」は出力50kW未満であれば、同一構内に設置していても一般用電気工作物となる。

という例外的なものが定められています。実際には「太陽電池発電設備」以外にも例外的なものがいくつかあります。そこを覚えているかどうかが、この問題で真に問われている部分なわけです。この問題の正当は「適用となる」です。

いかがですか?難しいは難しいですが、「文系だけど大丈夫かな…」といった不安は少し薄れたのではないでしょうか。確かに、計算に慣れ親しんでいたり、実際に電気関係に携わっている人の方が飲み込みが早いのは間違いありません。しかし、「文系だから不利」ということは一概には言えないと思います。その点だけで諦めてしまうのであれば、あまりにももったいない、ということだけはお伝えしておきますね。

幸いにも、筆者は1回目の受験で無事に「筆記試験」を通過することができました。晴れて「技能試験」に挑むことになったわけですが、ここからがまた大変。「独学」には少し苦しい期間となりました。引き続き「②技能試験編」に続きます。


「電気」ってすごく身近にあるのに
知らないことばかり。
「第二種電気工事士」については
公式サイトをご確認くださいね。

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東京で暮らす会社員です。
都市や交通について気ままに発信しています。
それなりにリアルかと思います。

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