【エッセイ61】コミケが楽しそう2




コミケに出せるようなレベルのものはありませんが、趣味の範囲で何かを作ったりすることはあります。仕事でも、お金を払って買ってもらうような商品を考えることもあります。趣味の範囲であれば自己満足の世界で済みますが、仕事の場合、本当にこのまま世の中に出ていくのか、と不安になることばかりです。

コミケの最大の魅力は「一堂に会する」ことにあります。コミックマーケット1が開催された1975年は、その名の通り「紙」が主役の時代ですから、顔を合わせて直接やりとりするのは当然と言えます。時代は流れました。家にいながら、大量の創作や作品を見ることができます。それでもなお、人々がビックサイトに集うのはなぜなのでしょうか。そこでしか手に入らない、手元に残る形で手に入れたい、本人に会いにいきたい、応援したい、場の雰囲気が好き。動機は百人百様でしょう。聞いて回るわけにはいきませんが、なぜこんなにも人が集うのか、非常に興味があります。やはり、まずは自分が一度行ってみるのが先でしょうね。

仕事で作ったものを世に出すのが不安なのは、売れないことはもちろん、評判が良くないと純粋に傷つきます。それが仕事というものですし、対価をもらっているわけですから、仕方ありません。コミケにも金銭のやりとりがあります。売れなかったり、評判が良くないこともあるでしょう。しかし、ほとんどの人はコミケに参加した理由は、仕事ではないはずです(結果的につながることもあるかもしれませんが)。

純粋に「良く出来たと思うから見てほしい」という動機は、ものづくりの原点です。世の中に出回っている「公式」はもちろん、それを映しているテレビ・パソコン、並んでいる本の製本・印刷。ありとあらゆるものは「これなら誰よりも良く出来ますよ」という原点があったはずです。しかし、仕事は責任が伴うので、そうした原点だけで行動し続けるのは難しいことです。だからこそ、コミケで何かを披露したり、販売できるというのは、本当に誇るべきことだと思います。誰に褒めてもらえなくても、自分で描き、作り、準備して、その日にぶつける。結果として、たくさんの人に評価されたなら最高でしょう。作品を素晴らしいと思って、足を運ぶ人も同じです。「素晴らしい」「面白い」と言ってくれる人は絶対に必要です。自分で何かを作ることは出来なくても、誰かを救うことはできます。

思ったことを形にしてみよう。面白いから見てほしい。こうした文化がある限り、コミケはもちろん、アニメーションや漫画の世界は、途絶えることはないでしょう。当初のコミックマーケットとは比べ物にならないほど、大きく幅広く成長を遂げるコミケ。「創造」の欲のまま行動した人々が、次はどんなものを見せてくれるのか、今後も楽しみです(個人的にはヤマダ電機のコスプレがツボでした)。

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東京で暮らす会社員です。
都市や交通について気ままに発信しています。
それなりにリアルかと思います。

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